4/21/2024

ビー・ジーズ 栄光の軌跡


 ビー・ジースことバリー、ロビン、モーリスの3兄弟のキャリアと活動をたどるドキュメンタリー。

 ビー・ジースというと「マサチューセッツ」に映画『小さな恋のメロディ』の「メロディ・フェアー」の美しい旋律や『サタデー・ナイト・フィーバー』のサントラが一番に思い出されるけれど、本作ではその長いキャリアの中での何度か起きた音楽性の方向転換の節目やサウンド作りに関するメンバーや関係者の証言がとても興味深かった。また著名な後進アーティストたちから語られる彼らのサウンドや兄弟ユニットだからこそのメリットや難しさなどなども。なんといっても「彼らはビートルズにも匹敵する偉大なサウンドメーカー」「兄弟ならではの共鳴があるんだ」と大絶賛を送ってるのがノエル・ギャラガーだというのがなんとも。だったら君もリアムと仲直りすればいいのに(苦笑)。でも口では絶対ありえないとか言っていても、再び一緒に活動再開する日もそう遠くはないのかも…?と脱線するぐらいあのシーンには吹いた。
 あとクラプトンとビー・ジーズの親しい交流もちょっと意外だった。そう言えば両者とも赤ベコ(違)がトレードマークのRSOレーベルだったなあとは思ったけど、60年代から親交が続いていたとは知らなかった。「461オーシャン・ブールバード」のジャケットになってるあのスタジオをその後ビー・ジーズが使ってたとは!
 しかし映画の世界的な超メガヒットと同時にビー・ジーズも爆発的なブームになったけれど反動のバッシングの渦がそこまでひどかったことも知らなかった。でも彼らが表だった活動を控えていた時期に、優れたソングライティングの楽曲提供で活路を見出していったことはいい方向に働いたのじゃないだろうか。彼らのオリジナルはもちろん、あとを追ってデビューした末弟アンディの曲にしても、バーブラ・ストライサンドやディオンヌ・ワーウィックetc.etc.にしてもステキなナンバーが目白押しなことを思えば、ノエルが言うように「ビートルズに匹敵するソングライター」というのも納得だ。
 ただ、やはりそういった華々しい成功や素晴らしい才能と引き換えとは言いたくないけれど、アンディに続きモーリス、ロビンとあまりにも早く世を去ってしまったのは本当に惜しくて悲しいことだ。最後、バリーが「成功なんていらないから弟たちに会いたい」と話すシーンは観ていてとても胸が痛む。ちなみに映画の英語原題は彼らが初めて全米ナンバー1を記録した1971年のシングル「傷心の日々」のタイトル。なんか皮肉にも聞こえるけれど、バリーには長生きしてほしい。
観終わってからビー・ジーズの多彩なアルバムを聴き続けていることはいうまでもない。

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原題:The Bee Gees: How Can You Mend a Broken Heart
監督:フランク・マーシャル 2020年製作
出演:ビー・ジーズ、エリック・クラプトン、ノエル・ギャラガー、ジャスティン・ティンバーレイク、クリス・マーティン etc.

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