1970年代の後半、ニューヨークはマンハッタンの芸術専門学校を舞台に、成功を夢見て入学してきた若者たちの4年間を追ったポートレイト的群像劇。
演劇やダンス、音楽に通常の授業など様々なアートを総合的に学ぶ学校ではキャスティングのオーディションのように選抜試験が行われ、出自も人種も多様な生徒たちが最終的に合格する。はじめは人見知りしてなかなか周りに打ち解けられない子、ダンスは抜群にうまくても通常の授業についてこられない子、俳優一家の2世や口達者なおちゃらけ者も4年のうちに学内学外で様々な体験をするうちに成長していく。出てくるキャラみんなサクセス一辺倒ではなくてそれぞれの個人の光と影が描かれる部分がやや荒削に見える部分も含めてドキュメンタリータッチと言われる所以なのかもしれない。 アラン・パーカーが後年撮る『コミットメンツ』は同様の音楽群像劇といっていいだろうけれど、もう少しステップアップというか洗練昇華されていた記憶。本作はその後TVシリーズにもなったそうだけど、一人ひとりのエピソードを描くにはたしかにドラマが作りやすそうにも思う。
テーマ曲の「Fame」も大ヒットしたアイリーン・キャラは「Out here on my own」のシーンもよかったけど、もっと大々的にフィーチャーされているのかと思いきや夢を追うあまりの落とし穴的な部分を描いて大団円に向かうのにはちょっと驚いた。
舞台になった The High School of Performing Artsは実在の学校で、過去にはライザ・ミネリやジェニファー・アニストンにスザンヌ・ヴェガなど著名なスターも在籍していたとのこと。
原題:Fame 監督:アラン・パーカー 1980年製作
出演:アイリーン・キャラ、リー・キュレーリ、モーリーン・ティーフィ、ポール・マクレーン、バリー・ミラー、ジーン・アンソニー・レイ
2024.7.7鑑賞 @TOHOシネマズ日本橋 午前十時の映画祭
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