4/04/2023

生きる LIVING

 言わずとしれた黒澤明の「生きる」のイギリスリメイク版で脚色したのはカズオ・イシグロ。基本的なストーリーはオリジナルに準じているのだけれど、主人公の老役人と家族や部下たち含めた彼の周囲の人々との関わり合いがより丁寧に描かれていたように思う。オリジナル版で印象的だったのはもちろん「ゴンドラの唄」のシーンと、あと彼が命を削ってまで奔走した土地の問題が、あっけなく役所の右から左へと流れていって変化のない日常はまた続いていくみたいな展開に無情さを感じてしまったような記憶があるのだけれど(随分忘れてしまっている 汗)、ここでの結末は確かに目に見えた変革は伴われなくともほのかな温かみが感じられたのがとても沁みた。

原題:Living 監督:オリバー・ハーマヌス 2022年製作
出演:ビル・ナイ、エイミー・ルー・ウッド、トム・パーク
2023/4/4 @109シネマズ二子玉川


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