主人公の二人が特段美男美女でなくいかにも70年代の西海岸あたりのどこにでもいそうな雰囲気がいい。幼いときからショービジネス界に足を突っ込んでこまっしゃくれたやり手を気取るゲイリーだけど、結局一目惚れした年上のアラナにいいとこ見せたいし、アラナはアラナで彼をもてあそぶような悪女キャラを気取りたいのかなという背伸びしたい二人。恋愛も人生も迷走ぎみにみえる二人がときに併走したり、ときに互いを探し求めて街をかける場面は見ていて気持ちがいい。
男の子は雰囲気や見るからにF･S･ホフマンによく似てると思ったけれど実子だったとは驚いた。このまま俳優を続けてくれるならきっといい役者になりそうな気がする。女の子は元々HAIMという姉妹ユニットで音楽活動を続けていて本作の家族もそのまんま一家総出だったというのも初めて知った。いい感じのバンド。
またサブエピソード的に登場する脇を固めた俳優陣も手堅く、おかしなノリに爆笑。ブラッドリー･クーパーは一瞬エリオット･グールド？と思ったけど、スター誕生のときのプロデューサーのジョン･ピーターズの役ってことでいかにもそっくり。きっと変人っぷりも似てるのだろう。ウケた。
原題：Licorice Pizza 監督：ポール･トーマス･アンダーソン 2021年製作
出演：アラナ･ハイム、クーパー･ホフマン、ショーン･ペン、トム･ウェイツ
＠TOHOシネマズ日本橋
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