太平洋戦争半ばの1943年、アリューシャン列島のアッツ島で日本軍が玉砕したあと、近隣のキスカ島に残された守備隊の救出撤退作戦を描いた作品。
孤立無援となった自国軍を救うための撤退作戦というとダンケルクが記憶に新しいけれど、日本軍でもこんな作戦が行われてたとは知らなかった。というか、藤田嗣治の画でも有名なアッツ島って南方だとばかり思っていたので、真夏でも雪が舞うような北方だとは思っていなかったし、ましてキスカ島は全く知らなかった。
米国軍にアッツ島を奪還され(アリューシャン列島は元々アメリカ領)周りは米国の艦隊や戦闘機でがっちり固められている中、濃霧に乗じて史実では8艦の連隊が救出に向かい残っていた約6000名の兵士全員を救出することに成功するのだけれど、何といっても天候が頼みの綱なので作戦はすんなり進まず、島の近くまで進んでもまた作戦基地まで引き返したり、敵の傍受を防ぐために無線も使えず、極力作戦を感づかれないために島の入り江まで遠回りをして近づくなどなど苦難の連続。そして島の部隊で繰り返される期待と絶望。でもキャストをみれば居並ぶ大スターがぞろぞろで、何といっても三船敏郎さまが少将ですからもう大船に乗った同然の安心感。というのはおいといて本当に奇跡のような大作戦だったのだろう。
三船さまと同期の中将で救出作戦実行の道筋をつける山村聡さまの男の友情も気持ちいい。
監督:丸山誠治 1965年製作
出演:三船敏郎、山村聡、佐藤允、中丸忠雄、藤田進、田崎潤、西村晃、志村喬、平田昭彦、久保明、船戸順、児玉清
@国立映画アーカイブ 7/17鑑賞
東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)
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