日本沈没（1973）

　小学校のとき、父に連れて行ってもらってほとんどお立ち見の映画館で観て以来の再見。公開後のテレビドラマ版もみてたと思うけど、その後の映画版テレビ版ともリメイクは観ていない。
　当時は三陸海岸のテロップが忘れられず子供心に怖くてその晩の夢に出てきたぐらいだったけど、あれから何十年経ってみてもやっぱり怖かった。昔は単純な恐怖心だったけれど、やっぱり東日本大震災を経たり、日本各地の自然災害や戦争の映像をニュースで目にしたりすると、画面の中の被災シーンにそれが投影されて見えるというか重なって、いつの日か必ずやってくるという首都圏直下地震や東海大地震も想起させるというかなんというか。こんな逃げようのない状況でどうやったら身を守れるんだろうとか、やっぱ移住しかないのか？とか考えてしまった。

　小林桂樹はテレビ版でも田所博士をやっていたけれど本作のようなマッド色はテレビ版ではそんなでもなかったような…。丹波哲郎はいかにも立派な首相らしい。藤岡弘もいいけどいしだあゆみとの唐突なロマンスはいらんよなあ…というか全く憶えてなかったけどこれ父とみてたのか、お子ちゃまの自分。

監督：森谷司郎　1973年製作
出演：小林桂樹、丹波哲郎、藤岡弘、いしだあゆみ、二谷英明
＠国立映画アーカイブ　7/17鑑賞
東宝の90年　モダンと革新の映画史（1）