4/22/2005

カサブランカの天使

  カサブランカのレストランで仕事に追われる3人の男たち。遠い山村から出稼ぎに出てきた会計係の男は故郷に残した身重の妻の「早く帰って」とひたすら綴られた手紙を手に一家を養うためと懸命に働く。コックの男は名馬を代々育ててきた牧場主の息子。最後に一頭残った白馬を売りさえすれば地代は多めに見てやろうというオファーをはねつけ自分がレストランで働いた金でなんとか片をつけようと奮闘する。また出前を担当するウェイターの若い男は配達途中に町のショーウィンドウでみかけた革靴がほしくてたまらず、自分の軽やかな足にその美しい靴を履き、いつの日か恋人と結婚することを夢見ている。でも世の中は本当に厳しくて。

 彼らのささやかな夢や希望、そして一番大切なものが失われていく様を描いたなんともいえない物語。あとから気がついたんですが邦題は「カサブランカの天使」といいつつも英語のタイトル見ると「カサブランカに天使は飛ばない」→天使はいないなんですよね...(涙)カメラがとてもきれいであるし胸を打たれるものはあるのですが、はかなすぎて少々ツラいものがありました。

英題:In Casablanca The Angels Don't Fly  監督:モハメッド・アスリ
2004年製作 モロッコ、イタリア合作
@アラブ映画祭2005(2005.4.15〜4.25開催)

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