4/15/2005

クライシス・オブ・アメリカ

 湾岸戦争の英雄として帰国したベン・マルコ少佐は帰国後不思議なトラウマに苛まれていたが、やがて同じ部隊に所属していた誰もが共通する不気味なイメージを戦争の後遺症として抱えていることを知る。何かしらの手掛かりを求めようとかつて彼の部下であり部隊を救った立て役者として名をあげ、今や副大統領候補として選挙戦に奔走しているレイモンド・ショーに接触を試みる。

 ジョン・フランケンハイマー監督の『影なき狙撃者』(62年製作)のリメイク。舞台を朝鮮戦争から湾岸戦争に移し、従軍した有力議員の息子を帰国後大統領選に出馬させ国を牛耳ろうとする軍事産業企業とタカ派の陰謀が描かれます。

 オリジナル版では催眠術をかけて意のままに人間を操ろうとしたあたりが、本作では軍事企業が開発したロボトミー手術に改められているのが技術の発達というかなんというかなんですけれども、暗殺犯の撮影カメラ画像をコンピューターで別な指名手配犯のものと差し替えたりするのも含めて技術的には実際に行われていても不思議ではない気がして、しゃれにならないというかなんだか背筋の寒くなるような話でした。。

 D・ワシントンのいつも通りそつのない演技もさることながら、何かがおかしいと気づきつつ いつの間にか操り人形と化しているL・シュレイバーが不気味でよかったし、あとは息子を何としてでも大統領の地位につけ強いアメリカをゴリ押ししようとする執念の母を演じるM・ストリープもすごくハマっていました。

原題:THE MANCHURIAN CANDIDATE 監督:ジョナサン・デミ 2004年製作
出演:デンゼル・ワシントン、メリル・ストリープ、リーヴ・シュレイバー、ジョン・ヴォイト
@ユナイテッドシネマ豊島園

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