4/12/2005

ニュールンベルグ裁判

 第二次大戦後の戦犯裁判を描いた物語。ナチス・ドイツ下の法に基づく裁判を執り行い人々を収容所送りにした裁判官たちの罪を問う裁判。人権擁護の識者として国際的にも名高い人物が裁きをうける立場に立っていたことからそれは悪しき法令を産んだナチスに罪がありそれに準じて裁いただけの彼らは恩赦をうけるべきと訴える弁護士と彼らの裁きによって収容所に送られた罪のない人々がいかなる末路をたどることになったのか徹底的に糾弾する検察官、双方の言い分を聞きながらいかに判決を下すべきか苦悩するアメリカの片田舎から招かれた引退間際の老裁判官。豪華な出演陣が繰り広げる緊迫する法廷の場面は見応えがあります。

 結果として下される判決は至極全うだとは思うけれど、裁判が終わって帰国するS・トレイシー扮するアメリカ人裁判官にB・ランカスター扮する裁かれた博士が「本当に何も知らなかった」と訴えるところはなんか複雑。自分の行った裁きによってその人々がどう言った処遇にあったのか、全く知らなかったってあるのかな、と思うところもあり、でも貨物列車に大量にのっけられた人々に何が起きているらしいということに気付いてもまさかそこまでの残忍な行為が行われていたなんて誰もの予想を超えた出来事だと思うけれど、知らないことが罪ならば裁かれるのは彼らだけではない気もするし。   

言っちゃいけないのかも知れないけれどどんなことになるのか知ってて民間人がたくさん住んでる場所に原爆落とせと命令した人には罪はないのか、とも言いたくなったりもする。

ともあれ作品は見応えありました。

(VTR鑑賞)

原題:JUDGMENT AT NUREMBERG 監督:スタンリー・クレイマー 1961年製作
出演:スペンサー・トレイシー、バート・ランカスター、マクシミリアン・シェル etc.etc.

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