時はバレンタインの直前。ふとしたことで仲違いした恋人クレメンタインが彼を忘れるために思い出を消し去ったことを知ってしまったジョエル。激しく傷ついた彼は自分も彼女が記憶を消した病院に出かけて彼女の記憶を消し去ろうとする。思い出の品を処分し睡眠薬も飲んで やって来た病院スタッフに機器を取り付けられていよいよ消去作業が開始。ところが作業が着々と進む中、彼の頭の中でささやかな抵抗が始まる。楽しかった彼女との思い出をこのまま本当に消し去っていいのかと。
失恋にしてもなんにしても辛い思い出をそれだけ忘れてしまえたらどんなにいいだろうと思ったことって誰でも多かれ少なかれあるんじゃないかと思うけど、だけどそんな辛い出来事も実はいろんな思い出と結びついているわけで「すごく辛い」と記憶しているその瞬間をのぞけば全て忘れなくてもいいような、どっちかといえば忘れたくない思い出だったりする。特に恋愛関係の思い出ってそうじゃないでしょうか。というわけで記憶の消去を免れようとするジョエルの心はちょっとみていて痛かった。
「よどみのない心の中で永遠に輝き続けている太陽」というのはたとえジョエルが、そして衝動的なクレメンタインがお互いが記憶を消しあったとしても、心のどこかで忘れてしまうことに抵抗を感じて覚えていたい、まためぐりあいたいと思い願う感覚的な純粋な核のようなものかと思うけれど、忘れてはめぐりあいを繰り返すグルグル永遠に続く追いかけっこのような気もして、それが本当に幸せなことなのかよく分かりません。切ないですね。
記憶が消えていく様子がビジュアル的にもシュールでさすがにM・ゴンドリーという感じですけれど、いろんなところで鍵になりそうなアイテムがあるような気がしてこれこそリピーター割引でも作ってほしいような気がします。
J・キャリーは『トゥルーマン・ショー』以降の路線を踏襲している感じですけれど、ぼさぼさの頭に無精髭のちょっと影のある雰囲気はよかったです。またどっちかといえばK・ウィンスレットのはちゃめちゃ化け具合には驚き。愛すべきカップルでした。
また映画には使われていなかったような気はするけれど、イメージソングなんでしょうかバングルスの「エターナル・フレイム」。日本盤のサントラにしか入ってないようだけど「きみ読む」とは違って今回はあたり。
原題:ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND 監督:ミシェル・ゴンドリー 2004年製作
出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルスティン・ダンスト、トム・ウィルキンソン
@渋谷シネパレス
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