劇作家ジェームズ・バリのピーター・パン完成にまつわる秘話です。遠い昔に読んだピーター・パンの物語で断片的に思いだすのは空を飛ぶ子どもたち、海賊船でのクック船長との大立ち回り、そして永遠の少年であるピーターとウェンディたちの別れの場面。ディズニーランドに出かけるとピーター・パンの乗り物コーナーは好きでいけば必ず乗ってるような気がするんですが、お話自体はなんとなくもの悲しいイメージを持っていたような気がします。
いつまでも子どものままでいられる夢の国ネバーランド。子どもなら誰もがそんなおとぎの国に憧れるのにひとり夢を見ることをすでに放棄していたピーターという男の子(この役の男の子は上手かった)。大好きなパパは帰ってきたら釣りに連れていってくれるはずだった。でもパパは死んでしまった。みんなは自分が何も分からない子どもだと思って適当なことを言ってただけなんだ。だから早くぼくは大人になりたいし作り話なんて信じない…。大人がきかせてくれるおいしい/楽しい話に不信感を抱くようになった彼にもう一度「夢を見ることや楽しい想像をすることは決して悪いことではない」とバリが語りかけるラストシーンはあまりにも美しいです。
バリや子どもたちの創り出す想像の世界も楽しいけれど、ふとした場面で発せられるセリフがすごく印象に残る作品でした。厳しい祖母をうとましく思っていた長男の子がふとそんな祖母をおもんばかる発言をした時に君は今 ひとつ大人になったんだね、とかそういうところ。
実を言うとジョニデのちょっと怪しげなイギリス訛り(スコットランドのアクセントらしい)はちょっと妙な感じがしてました。しかしそれもなんのその。断続的には涙腺が潤んでましたけど、ピーター・パンの舞台のあたりから止まらなくなり、デイヴィス家での舞台再現場面からはどびゃーです。これからご覧になる方はお気をつけくださいw
原題:FINDING NEVERLAND 監督:マーク・フォスター 2004年製作
出演:ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、ケイト・ウィンスレット
@シネフロント
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