雪洲を一躍スターダムに押し上げると同時に、物議を醸しだした一作。 今回上映された版のインタータイトルで雪洲の設定は日本人実業家トリと出てますが、当時日系の人々からの抗議を受けてビルマの象牙王ハカみたいな名前になってたりする版などいろいろあるそうです。
そこまで気遣うような内容なのかなぁと思うけど、やっぱどう考えたって悪いのは慈善寄付金を勝手に持ち出して株に投資して大損し、友人であるトリに借金をする金遣いの荒い有閑マダム。なのにその借金の見返りにつき合うつき合わないでもめて、彼女に焼き印を当てたトリを撃ってしまう彼女の身代わりになるダンナ(この人は単純な愛妻家)が法廷で有罪になったときに、「ホントの犯人はわたしですぅ、だってこんなコトされちゃったんだもの」と焼き印当てられた傷を見せて彼女は法廷内の同情を浴び、こんな鬼畜な真似しやがって、とトリには一気に憎悪が向けられる。これってなんか不条理というかへんじゃない?って思いますよ。
しかし公開当時には雪洲のクールなvillanぶりに世のマダムたちがクラクラして熱狂的な人気を呼んだというのもなんだかよくわかんないものです。ちなみに役名の「トリ」さんというのは焼き印の鳥居の形からして「トリイ」さんなんだろうなぁと思ってみてました。
原題:THE CHEAT 監督:セシル・B・デミル 1915年製作
出演:ファニー・ウォード、ジャック・ディーン、早川雪洲
@シネマの冒険 闇と音楽 アメリカ無声映画傑作選 (2005.1.5~1.16開催)
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