10/25/2004

大丈夫

  この年観た中でいちばん大笑いしたかも知れない作品。

 2003年8月某日、香港のとあるビルのビリヤード場に4人の男たちがあるミッション遂行のために極秘のうちに集合する。そのミッションとは「浮気」。数年前、とあるキャバレーでお楽しみの現場に妻たちが踏み込んで以来、活動を自粛していた彼らは互いの妻たちがタイへ日帰り旅行に出かけたスキを狙い、コツコツと積み立ててきた資金を手に再び豪遊で羽目を外そうともくろむ。ところがそこは鋭い女の勘。妻たちは飛行機離陸直前にただならぬ雰囲気を察知して香港市内へ逆戻り。夫たちのよからぬ計画のしっぽを掴もうと大追跡を開始する。そんな女房たちの動きをこちらも察知したダンナたち。果たして目的をめでたく達成し高笑いするのはどっちだ?

 たかが浮気、されど浮気…。だけどたかが浮気にここまで体を張れるダンナたち、なりふり構わずしっぽを掴もうと奔走する女房たちも互いの執着心に脱帽。このダンナにしてこの女房ありって感じでしょうか。

 ダンナたちのリーダー、ティンことE・ツァンはやっぱ『インファナル・アフェア』の親分姿も記憶に新しいんで、いかにも仁義/兄弟船って雰囲気が漂うんですけども、その計画に妻たちの仕掛けた攻防や仲間割れで男の絆が危ういことになるなど大まじめになればなるほど見てるこちらもふんっと小鼻に力が入ったりするとはいえ、ふと「ちょっと待って、たかが浮気じゃん」と思った瞬間、バカらし~アホらし~と鼻から息が抜けていきます。お話しのテンポもよいので思わず見入ってしまうんですが、その脱力加減がもう絶妙でした。

 またかつての遊び仲間の中心的存在で、クラブ踏み込まれ事件では仲間をかばうために自ら「犠牲」となり、以来妻以外の女っ気から隔離されている自宅軟禁中のガウソに扮したレオン・カーファイの枯れっぷりが最高。ちゅーかそのクラブでのギンギラぶりもそうとうキテたんですけども。

 今年の映画祭シーズンで個人的には最もなんっっっにも頭使わずに大笑いして大満足の1作。香港映画好きの方々にはいろいろ楽しいパロディ場面やカメオ出演も満載ということでよりお楽しみ頂けるでしょう。お話しの流れからしてこの夫婦らの攻防、第2ラウンドもありそうかも?

原題:大丈夫 MEN SUDDENLY IN BLACK 監督:パン・ホーチョン 2003年製作
出演:エリック・ツアン、ジョーダン・チャン、チャップマン・トゥ etc.
@第17回東京国際映画祭 アジアの風部門
(2004.10.23~10.31開催)

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