9/11/2004

ヴァン・ヘルシング

ひさびさ突っ込みどころ満載の映画でした。

時代の設定は19世紀の後半、欧州の街で発生する怪奇/猟奇事件。そんな事件の犯人である怪物たちを退治すべくバチカンから怪物ハンターに任命されているヴァン・ヘルシングさん。巨大な手裏剣やらバチカンの地下にて開発されている武器を駆使してばったばったと敵をやっつけまくってるんですが、始末の悪いことに退治した怪物たちは悪魔に取り憑かれた人間が異形の魔物となり悪事を働いているらしいので、ヴァンさんがやっつけた後には普通の人の死体に戻ってしまいます。そんなわけでヴァンさんは人殺し〜として逆にお尋ね者になってる始末。不憫です。しかしそのヴァンさん自体も自らに過去の記憶がないとかいいつつ百年前の記憶が残ってたりして本当は何物なのか不明。あんたも化け物?と突っ込みたくなります。

 さてそのころルーマニアのトランシルバニア地方ではドラキュラ伯爵と駆逐しようと代々戦ってきた美しい兄妹との激しい攻防が続いておりましたが、オオカミ男の捕獲の最中に兄のヴェルカンは崖から川へまっさかさま。最後の生き残りとなったアナは一族の名誉をかけてドラキュラとひとり立ち向かうことになるのですが、そこへ「今度はドラキュラを退治してきなさい」と任務を受けたヴァンさんとお供の武器開発修道士カールがタイミング良くやってくるんであります。

 一方のドラキュラ伯爵には世界征服なのかよく分からないけど野望がありましてそのために子孫を増やそうと3人の花嫁たちにせっせとエイリアンみたいな卵を産ませてるんですね。…ドラキュラというかコウモリが卵で増えるとはまた斬新な発想だなぁという感じですが、正直往年のドラキュラ映画のロマンもへったくれもないっすね。しかも卵をぞろぞろ産み付けたはよいけれど熱不足?で孵化できない。というわけで電力供給のためにドラキュラはフランケン博士に人造人間フランケンシュタインの製作依頼をします。…どうせなら電力装置とか作ってもらうのが手っ取り早かったんじゃないかと思うんですけど。

 などなどetc.ちまちまいってるとこのまま終わらないのであとは流してしまいますが、もうひとつふたつ(くどい…)。K・ベッキンセイルが吸血鬼嬢として活躍した「アンダーワールド」で描かれてたのと同様にここでもオオカミ男とヴァンパイアというのは永遠のライバルらしいんですけど、それを繙くだまし絵のような絵がアナの館にありまして、それの破けたピースがヴァンさんがバチカンの司祭に手渡された切れっ端と合致して吸血鬼の弱点みたいな文章が解読できるわけなんですが、あんな切れっ端当てはめなくたって途中までは読めるだろうよ、カール修道士。

 それに壁紙の紋章がヴァンさんの指輪と同じもので、やっぱりあんたは化け物→変身して戦うことになるんですが、で そのオオカミ男変身シーンで皮膚がびりびり破けてデビルマン状態なのはまあいいとしましょう。でも逆にオオカミ男から人の姿に戻った時に「こしみの一丁」ってのはどうよ?わたしゃいきなり「ジャングル・ジョージ」かと思いましたわ(それともあれはサービスカットだったのか?)。


 いろんなエピソードがぎゅーぎゅー詰め込まれてるのはそれなりに楽しくみてられるんだけど、その各場面場面のつなぎが抜けてて展開が一部不可解。何度つなぎのミス?と思ったか分かんないです。あと決定的になぬぅ?!っと思ったのが、<FONT COLOR="#FFFFFF">それまであんだけ高いところから放り投げられたり、壁にぶち当たったりしててもピンピンしてたアナが最後に来て突然ぽっくりこ</FONT>ってのも腑に落ちないというか…なんだかねぇ。しかもあのお空に浮かぶ笑顔って*十年前のヒーローものじゃないんだからさあ…。

 話を詰め込みすぎで持ち時間がなくなっちゃったから最後のほうにしわ寄せが来ちゃったのかどうかはしりませんが、唐突な戦いの終わりやら結局ヴァンさんの正体やら分からんことはすべて続編に先送りした風のこの脚本ってば久々にヒッデーなぁと苦笑してしまいました。

 ヒューはかっちょよいし、ゴシック調のセットも嫌いじゃないし、絵はきれいでしたよ。でも吸血鬼のファミリーというか男爵&3人の花嫁はエモーショナルすぎて(…)やかましかったっすね(ちゅーか全体的にやかましかったんですわ この映画)。牙むく変身シーンは「ビートルジュース」のアングリカンみたいだったしさ。&「アンダー〜」に続く吸血鬼もの出演のケイトですが、もともとシャープなアクション女優のイメージないだけにコスプレでアクションかまされてもなんだか…鈍でした。

 とさんざん言いたい放題してしまったけれど題材自体はそんなに嫌いなネタではないし、なんといっても観るたびに新たな突っ込みどころが発見できそうな、いじりがいのありそうなわくわく感(…)があるので、2本立てのもう1本しだいではまた三茶でみてもいいなぁと思ってます。続編はヒューが活躍する限り観たいです^ ^(@渋東シネタワー)

原題:VAN HELSING  2004年製作
監督:スティーヴン・ソマーズ
出演:ヒュー・ジャックマン、ケイト・ベッキンセイル、デヴィッド・ウェンハム


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