シベリアの森林で母熊を殺されそのまま猟師の手元に置かれていた小熊は、育ての親と動物を仕入れにやってきたサーカス団の少女ローラの目にとまる。やがてサーカスに飼われることになった小熊はミーシャと名付けられてローラの愛情を一身に受けてかわいがられていたが、やがてなんと夜ごと人間の青年に姿を変えるようになりローラと恋に落ちる。サーカス団を離れ大道芸人としてヨーロッパの町を転々とするローラと仲間たち。たどり着いたスペインの町である夜、彼女に下心を抱いて襲いかかった仲間の一人をミーシャは一撃で殺してしまう。人間の命を奪ってしまったミーシャはもう二度と人間の姿に戻ることはできない、そんなミーシャを生まれ故郷のに返そうとローラはシベリアへ向けて車を走らせるが…
お話はちょっと違うけれど「レディーホーク」を思い出しました。天涯孤独のローラとミーシャ。なんとなく設定的にも子供の頃によく憧れていたような素朴で美しいファンタジーでした。わたしもああいう熊男くんに守ってほしい。
この作品、奇しくも熊男くんことミーシャを演じたボドロフJr.の遺作になってしまいまして…(涙)。ここ数年のボドロフ・シニアの作品に出演したほか、初監督作の「Sisters」でも高い評価を得ていた彼は本作完成後の2002年9月に自らの新作用にロケ地視察の最中だったロシア南部の山岳で雪崩に飲み込まれ、依然見つかっていません。そんなこともあってロードショーの時には心情的にツラくて観に行けなかったのもあるのですが、やっぱり最後の森へかけていく熊さんの映像は涙なしにはみられませんでした。今頃彼の魂も熊さんに宿ってシベリアの山を駈けているのかな。
原題:BEAR'S KISS 監督:セルゲイ・ボドロフ 2002年製作
出演:レベッカ・リリエベリ、セルゲイ・ボドロフ Jr.
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