余命2,3か月と宣告された23歳のアン。病のことを誰にも告げずに彼女は残された日々に思い残すことがないよう自分がしたかったこと、しなければならないこと10の事柄を挙げてひとつひとつ実行していく。
残された命があとわずかしかないと知ったなら自分だったらどうするだろう。どうせもうすぐ死ぬんだということを理由に他人の情けに訴えて自暴自棄なり好き放題するなんて、端から見ればものすごく格好悪いと思うけど、いざそういうことになったならカッコ悪いなんてことも言ってられないだろうと思う。
主人公には愛する夫にかわいい娘たち、けだるいけど頼りになる母親がいてそんな愛する人たちを悲しませたくないから本当のことを黙ってる。夫や子供たちが自分がいなくなったあとに寂しい思いをしないようにメッセージを残したり、後がまに座ってくれそうな相手を見つくろうなど自分がいなくなったあとの生活に気を回すなんて、いくら浮気やら長いことあっていなかった父親に会いに行ったり、スタイルを変えるなどなど自分のこれまでしてみたかったことを全部やって気を紛らわせたとしても、苦しい感情を自分の中だけ押さえてすごくストイックというか孤独すぎてたぶんわたしには絶対無理…とは思っても、でもその場になったらわからない。なんだかいろいろ考えてしまいました。
重たいテーマにもかかわらずどんより沈んだトーンにならなかったのはつなぎの語り口がそれとなく死の匂いを感じさせるようなものであっても湿っぽくないから。その辺も主人公と同様に一歩引いてるスタンスが一貫してるような気がして好感が持てました。主人公を演じたサラをはじめ、脇を固めた人々もよかったです(ダンナも恋人も久々みかけたD・ハリーやA・プラマー、M・デ・メディロス、ちょっと不気味な主治医さん、トーク・トゥ・ハーの女の子などなどってほとんど登場人物全員…)。
劇中に登場したニルヴァーナやミリ・ヴァネリ、バリー・マニロウやらシェールなどの音楽ネタもツボでした。アカペラで歌っていたのはビーチ・ボーイズでしたかね? 関係ないけど主人公夫婦が出会ったニルヴァーナの最後のライブといえば…カートがいなくなってもう10年経つんだなぁと、ふと思い出したりして。(@三軒茶屋シネマ)
原題:My Life Without Me 監督:イザベル・コヘット
出演:サラ・ポーリー、スコット・スピードマン、デボラ・ハリー
3/23/2004
死ぬまでにしたい10のこと
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