9/15/2024

ピロスマニ


 ジョージアを代表する画家ニカラ(ニコ)・ピロスマニの半生を描いた作品。親を早くに亡くし世話になった家を出て以来、放浪生活を続けながらも立ち寄った村の酒場に絵を描いて残し酒と食料にいくばくかの金を得るというこぢんまりと生きてきたピロスマニ。あるときそれらの絵が酒場を訪れたロシアの画家の目に止まったことで、彼の絵と存在が世に広く知られることになるのだが…。

 代金がわりに描いた絵が村の各居酒屋の壁を飾り、村のコミュニティの中でニカラを認めていった人々が、そこに外部の目を浴びひょっとして金になると期待し、芳しくない批評をうけると総スカンを食らわせるさまが、いかにも人って…と思わせる。他人との交わりに次第に変化していくピロスマニの視点。
 劇中に登場する平面的・素朴な画風でユニークなピロスマニの絵画も目が惹きつけられるけれど(牛やキリンが特にいい)、それらが動いている?と思えるほど映し出される劇中の風景、アート、カメラワークがどこを切り取っても絵画のようにとても美しい。寓話的な物語とすべて相まって印象的だ。

原題:PIROSMANI 監督:ギオルギ・シェンゲラヤ 1969年製作
出演:アフタンジル・ワラジ、アッラ・ミンチン、ニノ・セトゥリーゼ
2024.9.15鑑賞 @ユーロスペース
ジョージア映画祭2024にて

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