1950年代後半のロンドン、移民の多く住む貧困地区を舞台に、カメラ、ファッション、音楽などそれぞれの分野で成功を求める若者たちが毎晩集っては切磋琢磨している中、土地再開発をもくろむ金持ち層が入り込み、やがては街のごろつきも巻き込んだ人種暴動へと発展してしまう顛末を描いたミュージカル。
80年代の初公開の時は出演もしてるデヴィッド・ボウイの歌うテーマ曲が話題になっていたけど観ずに終わっていて、今回リバイバル上映があったので出かけてきた。
物語のクライマックスに起きる激しい暴動は実際1958年に中南米系の移民と白人至上主義者たちによる衝突の史実が盛り込まれているとのことだけれど、公開時には知らなかった。ちなみに暴動が起きたブリクストン地区はボウイの生まれ育った街でもある。
60年代のブリットカルチャー誕生前夜の「もはや戦後ではない」という時代、アメリカのロカビリーとはまた違ったジャズやブラックミュージックに興じる若者たちのパーティー。エネルギーが炸裂するような極彩色とテンポのいいカメラワークがいかにもJ・テンプルらしい。
愛情よりもお金を選んだパッツィー扮するヒロインはじめ、誰もが成功と金持ちになることにハングリーだった時代のあだ花的ミュージカルと言えるかも。気に入らない移民たちを追い出そうと徒党を組んでガツガツしてるレイシストもハングリー?
黒幕的な役どころだったボウイ様のスーツ姿はもちろんイカしてたけど髪型がちょっと変。特によかったのはシャーデーとレイ・デイヴィスの歌のシーンか。
原題:Absolute Beginners 監督:ジュリアン・テンプル 1986年製作
出演:エディ・オコーネル、パッツィー・ケンジット、ジェームズ・フォックス、デヴィッド・ボウイ
@ヒューマントラストシネマ渋谷
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