久しぶりの再見。今回は「インターナショナル版」と名うっていたのでどう違うのだろう?と思ったけど、本作は今のところ3つのバージョンが公開されていて、内訳は170分ぐらいの「完全版」、本国イタリアで公開された140分ぐらいの「オリジナル版」、そして日本を含む広く各国で公開された124分ぐらいのものが「インターナショナル版」ということで、昔劇場で観たのと同じ版を再見したようだ。とはいえ子ども時代のトト・パートと最後のペラン様の場面以外は結構忘れていたんだけど。
第二次大戦後間もないイタリアのひなびた村。映写技師のアルフレードと映画好きのわんぱく坊主トトの交流から年月は流れ、トトに村を出て生きる道を示してくれたアルフレードは亡くなり、すでに廃屋と化していた映画館パラダイス座も取り壊されることになる。兵役除隊後に故郷を離れローマで映画監督として成功したトトは数十年ぶりに帰省し、かつてともに映画を楽しんだ村人一同とアルフレードの棺を送り、そして爆破解体されるパラダイス座の最期を見つめるという栄枯盛衰大河ドラマ的な流れ。
映画が娯楽の王様だった頃、映画館はそこに住む人々のための娯楽施設として機能していて、大人も子どもも一緒に笑い、共に涙し、集っていた場所と時代に対するノスタルジックな想いがいっぱい詰まっているだけで、愛すべき作品と言えるだろう。オーラスのアルフレードからの贈り物は「これを映画愛が詰まった作品と言わずしてなんと言おう」みたいな展開に泣くもんかーと抗ってみてもやっぱりぐっときてしまう。スクリーンを見つめるペラン様の表情がまたとてもいい。その分真ん中のトトの恋物語シーンがちょっと…って気がしないでもないけど、完全版では帰郷したトトと彼女の再会だったり、トトと母親との関係ももう少し手厚く描かれているらしい。でもとりあえず劇場版で十分な気もする。
公開時にはアカデミー賞の外国語賞も受賞したし各国で興行的な成功も収めた作品だけど、とりわけ日本では絶大な支持を集めているそうで、確かに銀座のシネスイッチでは1年近く上映されていたことを思い出す。今ならシネコンでガンガンかかってたことだろうけれども(苦笑)。
その辺の愛の表れか(?)各国のWikiをみてみたら本編中に登場する様々な名作のタイトルをきちんと記載してあるのはなんと日本のウィキだけなのだ。さすが!
調べて載っけてくれた方には感謝感謝である。
原題:Nuevo Cinema Paradiso 監督:ジュゼッペ・トルナトーレ 1988年製作
出演:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ、マルコ・レオナルディ
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