『チリの闘い』3部作のグスマンによる故国を映し出した二篇。
チリの高地にあるアカタマ砂漠には世界の宇宙研究者が集う天体観測所があり、遠い彼方から届く光と宇宙の解明が行われている。何億光年もの彼方から放たれる光を追い生命の起源を日夜様々な機器で探索する作業の足下の砂漠では、かつてピノチェト政権下で弾圧制裁を受け無残にも砂漠にうち捨てられた人々の身内によって遺骨捜索が今も行われている。何年もの月日が流れ塵と砂に紛れた中から手がかりを探そうとする作業は満天の星空の中から手がかりをつかもうとする姿と両極端であると同時に非常に似通っている。最後に母親たちが天文台の若い研究者に誘われて巨大な望遠鏡で夜空を交互に眺めあう場面にじんときた。
原題:Nostalgia de la Luz 2010製作
監督:パトリシオ・グスマン (ドキュメンタリー)
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