4/06/2022

湖のランスロ


 ブレッソンによるアーサー王と円卓の騎士の物語ということで長年観たかったのだけど、念願叶って鑑賞。いきなり初っぱなの森の中の合戦場面で甲冑の首がチョーンとか血がピューっとか(とはいえそんなに生々しくないので学芸会風にも見えないことはなく…)違った意味で度肝を抜かれる。ほかのアクションメインのハリウッド映画なんかで描かれるようなど派手な演出はないのだけれど、冒頭の場面にしても、森を駆け落ち延びる騎士たちも、ジュスティング対決のシーンにしてもそれまでブレッソン映画に抱いていた「静寂さ」のようなものがいい意味覆されたようでもあり、にもかかわらずイメージどおりのブレッソン印の中世騎士道物語が描かれてもいて。満足。

原題:Lancelot du Lac 監督:ロベール・ブレッソン 1974年製作
出演:リュック・シモン、ローラ・デューク・コンドミナス、アンベール・バルサン

 ブレッソンが亡くなった年、東京国際映画祭で全ブレッソン作品上映の企画があったとき、『湖のランスロ』と『たぶん悪魔か』にはいろいろと上映にこぎ着けるまでのドタバタがあって(『やさしい女』もそうだったかも)別なところで非常に思い出深い作品だった。そんなどさくさにまぎれて当時は両方とも観れていなかったので、劇場公開は懐かしさもあり出かける気満々でいたのだけれど、とりあえずランスロを先に。『たぶん悪魔が』も必ず観たい

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