ピーター・ジャクソンが監督したGet Backをようやく観た。本当はIMAXでルーフトップ・コンサートの前に観ておかなくちゃと思っていたんだけど、今ごろ。ずっと公開は楽しみにしてたのだけど、やっぱ1話につき約2時間半というのはなかなか時間がとれなくって。というわけで結局先に劇場でライブを観た興奮冷めやらぬうちに!と見始めたらばあっさり全部一気に観てしまった。いや止まらないこの濃厚すぎる充実時間。やー、後先問わずみてよかった。
最初からドキュメンタリー(のちの映画『Let It Be』)を撮るつもりでスタジオに仕込まれたカメラや果ては隠し撮りみたいな音声記録は当たり前だけど生々しい。生真面目にみんなをまとめて仕切りながら曲作りを進めようとするポール、毎度遅刻してスタジオにヨーコ連れで現れるジョンはてれれんとして本気もジョークもごちゃ混ぜ。アイディア出しても却下されあれこれの指示出しやらもろもろにたまりかねて脱退未遂のジョージ、そして毎回誰よりも早くスタジオに現れてセッションの間もメンバーがごちゃごちゃしてる様子をドラム台からなんともいえない瞳で見つめてるリンゴ。昔公開された『レット・イット・ビー』の本編は自分は未見なのでなんともいえないけれど、よく言われてるような解散寸前のバンドの「もう過去には戻れない」みたいなもの悲しい不和の部分が強調されてる作品だったとしたら、ちょっともう観なくていいかもしれない。
というのも、この作品に収められた状況を見る限り、彼らにはもうそれぞれの立場があって譲れないところもあってそれこそ昔のようには行かない公私があるんだけれど、結局「ビートルズ」として、それが「お仕事」であろうと、きちんとプロとして全うしようととしている様子がちゃんと見て取れるから。それで十分じゃん。与えられたひと月の間にアルバム用の新曲を半分でもそろえてリハ&レコーディング、お披露目ライブまでって単純に考えても絶対あり得ないってようなスケジュールだけど、それをやってしまうのがやっぱり天才たちなんだね。アルバムLet It BeやAbbey Roadのあの曲この曲が作られていく様子に素直に感激した。でもってビリー・プレストンが参加してくれて本当によかったね、とも。あきらかなbefore/afterの違い(笑)
ちなみに先に本作観てた友人たちは「やっぱりヨーコが…」みたいなことを多くが言ってたんだけど、やっぱその当時の偏見というかやや斜めったものは元の撮り方に感じなくもなく、、。前半でジョン以外のメンバーがヨーコと会話してるような場面はないし、リンダが登場する場面とは全っ然大違い(...編集の妙技!?)。まあヨーコの存在気にしていたらなんもできないだろーから空気のように見えないものとしてメンバーはスルーするしかないだろなとは思いつつ。でも後半で演奏の途中にヨーコから何事かささやかれたジョンが満面の笑みで「ヨーコの(前夫との)離婚が正式に認められたんだ!」って報告したとき「そりゃよかった、おめでとう!」って、アンプにヨーコに腰掛けられてぶち切れて脱退言い出した疑惑の(…)ジョージも含めその場のみんなが一斉に喜んでくれてたシーンにはちょっと救われたかも。
でもって 本編から抜粋されたいよいよアップルレコード屋上で行われた「ルーフトップ・コンサート」は、絵も音も美しくクリアでほんとにサイコー! スタジオの演奏シーンからして思ってたけど、ビートルズってやっぱりたたき上げのライブバンドなんだね。
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