1/07/2022

私は白鳥

 富山で燃料店を営む男性と、翼を痛めて北へ帰ることがかなわなくなってしまった一羽の白鳥の4年にわたる交流。
 春になって越冬した仲間たちが次々と北の空に去り、ぽつんと残された白鳥が再び秋に仲間たちに会えるには夏の暑さや様々な厳しい試練を乗り越えなければならない。せめて痛めた翼が長い旅に耐えられるまで回復するなり、または動物園が保護するとかできないのかなと思わないでもないけれど、なかなかそうも行かないのだろうな、野生だものね。

 家業のプロパンガス販売を続けながら長年多くの白鳥を観察してきた澤江さんは、白鳥を見習って腕をバサバサ振り回して体を鍛えたりしてるようなお茶目なおじさんだけど、本人にしたら至って大真面目。体を鍛えるのはともかく白鳥たちの生態からいろいろ学べるところはあるのだろうし、孤高の白鳥が現れてからはもちろん同情もあるだろうけれど、ご自分の姿を重ねてみているところもあるのだろう。

 幾度かの暑い日本の夏にも負けずに懸命に生きてきた白鳥と澤江さん、ともにずっと元気で過ごしていてほしい

監督:槇谷茂博 2021年製作

ドキュメンタリー

 2002.1.7 @ユーロスペース


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