1950年代後半から60年代初頭のNASAのマーキュリー計画に携わった黒人女性たちの事実に基づく物語。
マーキュリー計画といえば真っ先に思い浮かぶのは映画『ライトスタッフ』。宇宙飛行計画にソ連から大きく水をあけられていた米国が人類初となる有人宇宙飛行を目標に、文字どおり国の威信を懸けて挑む初代宇宙飛行士たち(と、誰よりも速く飛ぶことへ挑戦し続けた男チャック・イエーガー)を描いて、飽くなき夢を追い求めるアメリカの姿勢を高らかに謳った物語はとても大好きな作品なのだけれど、思えばたしかにあの映画に有色人種の人物って登場してはいなかった。当時のアメリカと言えば公民権運動が活発化しつつも南部では人種分離の政策が普通に日常の中で行われていて、それがNASAという知性の集う場でも行われていたというのは…こうして作品でみるまで気づかなかったことに自分の無知がちょっと恥ずかしい。実際のキャサリンさんはのちのインタビューで当時差別は特に感じなかったと話しているようだけど(wikiによれば)、先陣を切って宇宙技術の世界に飛び込んだ彼女たちの苦労たるや現実にはもっともっと想像を絶するものがあったんじゃないだろうか。でも映画の中で知性を武器に挑戦する彼女たちの努力や夢が叶っていく様子はみていて素直に嬉しかった。ともすれば重めの展開になりそうな内容も明るく前向きなトーンもいい感じで一緒に幸せな気分に。研究所室長のK・コスナーの助演ぶりにも好感。
3人の主人公たちのうちの一人、キャサリンさんは先日101歳でお亡くなりになったそうだけれど、もっと関連本など読んで彼女たちのことを知りたい。
原題:Hidden Figures 監督:セオドア・メルフィ 2016年製作
出演:タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、ケヴィン・コスナー
0 件のコメント:
コメントを投稿
(※営利目的、表題に無関係な主義主張・勧誘のコメントは削除します。ご理解ください)