先日亡くなったスティーヴン・ホーキング博士とその奥さんの2人で歩んできた半生を描き、ホーキング博士に扮したE・レッドメインがオスカーを獲った作品、という基本情報だけで公開時から今まで来ていて、そういえば録画してあったなと思いだし見始めたものの、途中からむむ、この気配は…、えっ……えーっ!?とビックらこいてしまった。なぜなら博士の壮大なるブラックホールというか宇宙の理論は逆立ちしてもよくわからないし、同じようにその私生活もまったく知らなかったからひたすら驚きだったのだ。
妻ジェーンが書いた回想録をベースにしたという本作で描かれる2人の大学時代の出会いから博士の発病、そして結婚という選択、幸せな家庭の時間、博士の名声と比例するように進行していく病、彼と家庭を支えるジェーンの苦悩…。おそらく美しく描写されているなかにも、現実にはもっともっとつらい苦労もあっただろうし、きれい事じゃ済まないこともあっただろうなと想像。でもあとから読んでみたwikiによれば2人が別々の道を歩んだ後にも、成長して作家となった娘のルーシーと博士がテレビ番組(科学にまつわる教育番組だったのかな?)で共演したり、ジェーンや子どもたちの家族とも最期までずっと親しく交流を続けられてきたということは、やっぱり映画で語られていたように、互いを思いやったうえでの納得できる選択だったのかなと信じたい。博士のきらきらした学生時代がとてもまぶしく、また彼の周りの仲間たちとの友情も純粋にいいなと思えた。
オスカー獲得のエディくんの芝居はそれはすごい。たしかに『マイ・レフトフット』のダニエル・デイ=ルイスと双璧といっていいだろう。博士本人の魅力なんだろうけれどウィットとちゃめっけを感じさせるコミカルな描写もうまかった。ジェーンを演じたフェリシティ・ジョーンズも魅力的。と思ったら、ああ『ローグワン』の、とやっと気づいた。もの悲しい清楚な雰囲気がいいですね。好感。
原題:The Theory of Everything 監督:ジェームズ・マーシュ 2014年製作
出演:エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、デヴィッド・シューリス
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