ジョイスの「ユリシーズ」を原案に殺人を犯した囚人とひとりの少年を巡る物語。
たぶん解釈は観客に委ねられているところが大きいと思うのであえて書きませんけれど、メインのレオポルド少年と囚人「スティーヴ」のやり取りはある意味自己や過去を見つめ直すやりとりなのでアレレ…と思う部分も残ります。ただその分少年の生い立ちや囚人が出所後に働くダイナーを描いたサイドストーリーがしっかりしているので観た充実感はかなり残る作品です。
エリザベス・シュー演じるところの母親は愚かというにはあまりにも悲しい気もして観ていたのだけれど、叶えられなかった自分や家族の将来がうち砕かれた責任を生まれる以前から自分をスルー、というかそのまま息子に転嫁しているような感じがして、実はみるからにはかなげな彼女が演じているからまだ同情を誘うところがあるけれどホントは心底困った女なのじゃないかとも思ったりして。その分ダイナーで働くD・アンガー扮するウェイトレスのほうがまだ人肌のぬくもり合ったような気がします。
2週間しか劇場でかけないなんて本当にもったいないくらいうまい役者陣の共演。
原題:LEO 監督:メヒディ・ノロウジアン 2004年製作
出演:ジョセフ・ファインズ、デイヴィス・スウェット、エリザベス・シュー、サム・シェパード、デニス・ホッパー
(@シャンテシネ)
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