『オペラ座の怪人』のミュージカルはみたことがありませんが、映画化された作品だと『エルム街シリーズ』のフレディ・クルーガーでおなじみのロバート・イングランドが怪人をやってる版(1989)をみたことがあります。そちらのほうはさすがにロマンスやスリラーというよりもホラーな感じだったと思いますが内容的にはあんまりよく憶えてません。ただ1曲すごく耳に残っている曲があって、たしか怪人がヒロインに捧げる曲だと思うんですけれどこれがすごくきれいな歌メロで今回もいつ登場するのかと楽しみにしてたんですが…、どうも本家ミュージカルの曲ではなかったらしくちょっとアレレ…という感じでした。
さてこちらの『オペラ座〜』ですけれど、さすが本家本元だけ合ってきっとミュージカル版に忠実なんだろうな、という感想を持ちました。ファントムがクリスティーヌのフィギュアまで作っちゃうほどの偏愛ぐあいと、師であり父として抱く愛情のバランスがあんまりつながりよくないような気もするんですけれど、どうでしょう。ファントムはオペラ座の主として才能ある少女がいつの日か自分の指導の元で舞台で成功する日を夢見ているわけでしょ。そこにいつしか恋心を抱いてしまったゆえの悲恋を描くならちょっとヘンな人チックなイメージを持たせるあのフィギュアは要らない気がしますけども、実際の舞台でも小道具として登場するのでしょうかね。歌い倒さずにもうちょっとセリフで見せてくれても…というところも少しなきにしもあらずですが、まぁ下手なコトしてミュージカル・ファンのひんしゅく買うよりはこれでいいのかも。重箱の隅を突っつくようなヤボな真似はよしておきましょう。シャンデリアや洞窟やら仮面舞踏会のスペクタクルかつ幻想的なシーンは映画ならではという感じでよろしいのではないでしょうか。
役者さんは主要3キャラがあそこまで歌えるのは大したものだと思います。やっぱハリウッドの俳優はちゃんとできるんですよね。えらいなぁ。でも個人的にはミニー・ドライヴァー演じるイタリア訛りのカルロッタのコミカル具合が好みでした。
映画には直接関係ないのですけれど、わたしが観たのは渋谷の劇場でしたが、以前同じ劇場でコッポラの『ドラキュラ』を観た時には音が鳴りすぎてやかましいくらいだったので、今回もどうせならでかくていい音で聴きたいと思って出かけたんですけれど、なんだか本編の音小さくなかったです?というか最初は全体的に劇場のほうで押さえてるのかと思ってもっと鳴らせーとウズウズしてたんですが、途中ファントムの「クリ〜スティ〜ヌ」という声がどこからともなく聞こえてくるあたりでいきなりデジタル的な聞こえ方してきたので???と思ったのでした。プリントの問題? あれならこの前ユーロスペースで観た『ベルリンフィルと子どもたち』のほうがめちゃ音良かったですよん。
原題:PHANTOM OF THE OPERA 監督:ジョエル・シューマカー 2004年製作
出演:ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン
@渋東シネタワー
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