家族が快適な生活を送れるようにと妻にも内緒で日夜身を粉にして働くイランからの移民ベヘラニは、ある日新聞の売家の広告に目をとめる。懐かしい故郷の思い出の浜辺に似た風景が見渡せるその家をベヘラニは競売で買い落とす。が、それは税金未納で差し押さえの末、払い下げられた曰く付きの家で、家を追われたキャシーは差し押さえを不当だと訴えていた…。
今年のアカデミー賞で主演男優(B・キングズレー)と助演女優賞(S・アグダシュルー)にノミネートされていた主要キャラ二人。実はもう一人大事な人がおりましてそれがJ・コネリー演じる家の持ち主キャシーなんですけど、この人がですねー悪いけど「全く」共感できない。っちゅーか「全く」同情の余地なし。彼女が劇中でいうことにはこの家は役所の手違いで…たしか事業所として使ってる届け出になってるから余計な税金がかかってるけど、本当は住居としてしか使ってないからそんな税金を請求されるのは不当だ、みたいなことを訴えてたと思うんですが、パッと見からして彼女ってば何の仕事もせずウダウダしてるだけ&アル中。ダンナも愛想を尽かして出ていったという差し押さえにあってもしょうがないんじゃないのという怠惰な生活を送っており、その辺の彼女の背景の描きこみが足りないので「何を寝ぼけたこといってんの」という感じで印象すこぶる悪い。それでもってさらに輪をかけてバカったれなのが、キャシーの色気にほだされ「わたしのためにあの人たちから家を取り返して〜」というおねだりにホイホイ乗せられベヘラニ一家に嫌がらせをしにいく妻子持ちの警察官。そんなバカップルのとばっちりを食った末にこれ以上ないだろうという悲惨な目にあうベヘラニ一家はホントに踏んだり蹴ったりで見ていて居たたまれない気分になりました。イスラム系の人なんかみたら冗談じゃないと思うんじゃないかしらん。B・キングズレーは熱演してたと思うけど、なぜにノミネート? ひょっとして勝手な「配慮」だろうか、と勘ぐりたくなってしまいました。ちなみに原作はアンドレ・デビュース3世の「砂と霧の家」(DHC刊)。本の方がもしかして中身が濃いのかもしれないけど、映画は正直 ヤな話でした。
それと内容が濃そうな話だったので機内の吹替版で見てたんですけど、これがまた…。どう見ても50越して60近いB・キングスレーの声が、どう聞いても2〜30くらいの青年風の声優さんで「これってどうよ?」と思いましたねぇ。あとは細かいところはよくわからんけれど日本語のニュアンスにしたらこういう言葉は使わないでしょーにという箇所が特にクライマックスに集中しており余計に力が抜けました。言いたかないけどもうちょっと違う字幕か吹替で観てたらイメージ多少変わったかも。
原題:HOUSE OF SAND AND FOG 監督:ヴァディム・パールマン 2003年製作
出演:ベン・キングズレー、ジェニファー・コネリー、ショーレ・アグダシュルー
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