5/22/2004

トロイ

紀元前12世紀のトロイ戦争を舞台にした壮大な史劇。

とりあえず歌舞伎町のスクエアに出現したレプリカ“トロイの木馬”含めて壮大でした。

というのはともかく「イリアス」とかその辺読んだことがなくうろ覚えの基礎知識しかなくて鑑賞に望んだわけですけれども、単純に思ったのは「パリス、情けなさ過ぎ〜」。愛のための戦いっていったって闘ってるのはまわりだけで言い出しっぺの君ってば何にもしてないじゃないのさ。まぁ最後のおちでアキレスとの絡みはありますけどね。この人、子供の頃から父ちゃんの馬を盗んでは兄ちゃんのヘクトルに「にーちゃんどーしよう?」と甘えんぼしてたらしいけど、今回もヘレンを賭けてスパルタ王と決闘だとか自分で言っといて、やられそうになったら兄ちゃんにすがりつくなんて兄ちゃんはあんたの尻ぬぐいじゃないんだぞ、コルァッ!という感じ。そりゃオーリーくんのつぶらな瞳で「助けて、プリーズ」と訴えられたらこのわたくしとてハイハイ…と出ていきたくはなりますけども、でもさぁあんた王子でしょ? 正直この時ばかりは相手のスパルタ王がヘレンに叫ぶ「こんな男のために国を捨てたのか!」というセリフに激しく「NDA」と頷いてしまいました。こんなナンパ王子のためにその昔国がひとつ滅んだことが事実ならばばっきゃーろー以外の何者でもないですぞ。ととりあえす憤ってみる。

 とまぁ不肖パリスへのケチはおいといたにしても、

 なんだか全体的に人の描き方が浅いような気も。だから次に出る行動が唐突というか「おいおい、いいんかそんなんで?」って箇所がいくつかあったような。例えばトロイ王にしてもヘクトルを大事な世継ぎだと信用してるみたいなことを言ってるのに、議会ではギリシャをこれ以上叩かなくてもという進言をした彼を退けて早朝の攻撃を命じたりしてたし、木馬を城壁内に入れることをためらったパリスのいうことを聞かずに入れちゃったり人格者風に見えているにもかかわらず不可解な行動が多い。またアキレスがいとこに自分の甲冑を盗まれるのに気づかないってのもちょっと考えにくかったし、戦いのきっかけを作ったパリスとヘレンも途中完ぺき消えてたし…というかなんか疑問に思うところが多かったなぁ。

 壮大な物語〜というとやっぱ最近だと「LOTR」とかあったりしたのでなんとなくそれを起点にみてしまうんですが、もちろんあちらはファンタジー、こちらは史劇という一応ジャンルの違いはあれど、どっちも同じようなコスプレでマス合戦シーンも多く出演者も多少かぶってるとくれば全〜然違うじゃんと思いつつも比べちゃうわけです。作ってる側のオタ度、というか作品に賭ける気合いと情熱度の違いが出てしまった気がします。なんかこう大味な印象なんですよね。途中で飽きたりするわけじゃなかったけど、あんまり心に訴えるものは少なかったかも。

 散々ブーたれたあとで言うのも何ですがヘクトル=エリック・バナはよかったです。オーリーくんはですね、ヘクトルが死んじゃう場面などなどその目つきは「LOTR」の人の死をどう理解したらいいのかわからないエルフの顔つき!(ってたしか最初のコメンタリーでホビット役の4人がワイワイ言いながら褒めてたんだけど)というか「もしもし…あなたそれレゴちゃん入ってますよ」という場面が多かった、いや大して多くないかも知れないけど勝手にそうみえた。弓矢の練習の場面は思わず吹き出してしまいましたよ。この辺でコスプレはいいから現代劇もみせてほしいかもね。

 それから、というよりも なんといってもブラピです、ひたすら見所はブラピ。もっと出番を増やして出ずっぱりでもよかったぞ!! もームキムキがっしり加減も血と泥にまみれたお姿も素っ裸も素敵。ちなみに先日何かのインタビューでヘレン役のダイアン・クルーガーが「自分がホントにヘレンならヘクトルと結婚して、アキレスと浮気する」と言ってたんですがわたしもそれに一票。

というわけでブラピの肉体を愛でる映画「トロイ」でした。(@新宿ミラノ座)

原題:TROY 監督:ウォルフガング・ペーターセン 2004年製作
出演:ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ピーター・オトゥール etc.

0 件のコメント:

コメントを投稿

(※営利目的、表題に無関係な主義主張・勧誘のコメントは削除します。ご理解ください)

popular posts