フェイブルマンズ

　スピルバーグの自伝的作品というだけあって作品に描かれた家族の軋轢は割と事実に基づいているらしい。前作の『ウェスト・サイド・ストーリー』は父親に捧げられたクレジットがあったように記憶しているけれど、たしかにこんないかにも「フィクション」のような事実が実際起こっていたら、ご両親が存命中の間に描くにはやっぱりためらわれるところがあっただろうと思う。一組の男女としてみた両親の仲がたとえ客観的にどんなに劇的であったとしても。
　でもそんな両親それぞれが彼を温かくみまもり、彼の才能を優先してきたから今のスピルバーグがあるのだよなとすっと納得できた。とてもステキな映画だった。

　のびのびと演じていたミシェル・ウィリアムズがとてもステキだったし、デヴィッド・リンチのサプライズも。

原題：The Fabelmans　監督：スティーヴン・スピルバーグ　2022年製作
出演：ミシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノ、セス・ローゲン、ガブリエル・ラベル
2023/3/3 ＠109シネマズ二子玉川