5/31/2022

ベルサイユのばら

 今年は池田理代子さんの「ベルサイユのばら」が誕生して50周年なのだとか。漫画の連載終了後に宝塚での舞台化、アニメ化、そしてさらに何年かして物語の舞台フランスでの実写映画化。当時ジャック・ドゥミなんて全然知らなかったリアルお子だった自分は「ベルばらが本場で映画になるなんて!」と興奮したものだった。とりあえず新聞に載ってた試写会に応募して会場で初めてがきんちょの分際で資生堂のサンプルもらったことだけ覚えてるほか、映画の中身は全然記憶にない。長らくDVD化もされていなかったように思うけど、3〜4年前にデジタルリマスター化されていたらしく久しぶりに出かけたツタヤで見つけたので借りてみた。

 なにしろまっっ…たく覚えていなかったのでほとんど初見同然なのだけど、なによりもまずセリフが英語だったのに愕然。監督ドゥミにプロデューサーがアニエス・ヴァルダ、音楽ミシェル・ルグランとかそろえて、ヴェルサイユ宮殿ロケまでして(ソフィア・コッポラよりもずっとずーっと早い)フランス映画じゃなかったの?! など「えーっ!?」って感じがムクムク。冷静に考えれば英語メインダイアローグでその他の国々が舞台になった映画なんてソフィアの『マリー・アントワネット』だってそうだし、星の数ほどもあるだろうにこの大きなガッカリ感はなんなのだろう? やっぱフランススタッフそろい踏みで本場を期待しすぎていたせいだろか?
 そしてお話も初っぱなから設定が漫画と違ってた。アニメや宝塚だって違うところはあるのかもしれないが主題歌など以外の中身はほぼ覚えていないんでアレですけども。オスカルが誕生するときにお母さんが死んじゃったらロザリーとの出会いはどーなるの?と思ったらロザリーとオスカル一家の絡みってほぼなかったし etc。でもってジェローデル少佐がちょっとヤなやつだし(←結構好きだったのに)。
 本作の原題はLady Oscarってことで家を継ぐ男児として育てられたオスカルのフェルゼンへの恋やら、それがかなわぬと知ってから周りを見回してアンドレのことやら身分の問題に改めて気づくみたいな成長物語のような感じにしたかったのだろうか。オリジナルが壮大な物語ゆえにオスカルとアンドレ中心に物語組んだらこうなるのか?とはいってもアントワネットとフェルゼンやジャンヌの首飾り事件の顛末も盛り込んであるし、丁寧にやってたら詰め込みすぎになりそうだけど、にしてもどこか手応えがないっていうかかゆいところに手が届かないこれじゃない感。うーん……。やっぱりどこか漫画のような展開を期待してしまうところがあるので、素の状態でみることができたらもっと楽しめるのかも。
 と文句ばかり言ってるけど、
最後は本作のような終わり方もありだとは思う。
少女時代のオスカルを演じてたのがパッツィ・ケンジントってとこにまたびっくり

原題:Lady Oscar 監督:ジャック・ドゥミ 1979年製作
出演:カトリオーナ・マッコール、バリー・ストークス、クリスティーネ・ベーム、ヨナス・ベリシュトレーム

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