12/22/2021

ドライブ・マイ・カー

  駆け込みでとりあえず今年を代表する映画かな、というわけで濱口竜介監督の2本『偶然と想像』『ドライブ・マイ・カー』と、勢いづいて旧作の『寝ても覚めても』を観た。

 冒頭クレジットが原作の村上春樹1枚だけで、メインタイトルが出てくるまでに40分ぐらいあったかと思うけれど、のっけからのいかにも村上ワールド(というかストーリーはよく覚えてないが「アフターダーク」)をイメージとして連想させるような絵面にぐっと引きつけられた。ちなみに原作になってる短編は未読。家福とみさきの物語はそれぞれ単体として描いても十分おつりが来そうなほどだけれど、公開順は逆だけど『偶然と想像』からの連作と位置づければ拡大版扱いでよいのかもしれない(そういう制作順でいいのかな?でも流れとしてはすんなりくる気がするし)。偶然であったり、無意識の中の必然的な運命が、流れるような舞台的台詞、というかここでは本当に舞台のシーンや車内に流れるカセットの朗読で登場するけれど、たしかに心地よいリズムがあった。家福夫婦、みさき、唯一感情あらわというか衝動的な高槻などなど登場人物はみんなよかったけれど、すべて昇華させるような最後に近い『ワーニャ伯父さん』舞台場面では涙してしまった。ユナ演じるパク・ユリムさん、とてもよかった。

英語タイトル:Drive my Car 監督:濱口竜介 2021年製作
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生、
@UPLINK吉祥寺

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