8/25/2021

拳銃は俺のパスポート

  宍戸錠主演の『拳銃は俺のパスポート』を観た。「拳銃」と書いて“コルト”と読ませるそうです。当然ながら知らなかった。

 横浜に進出してきたとある関西の組織組長の暗殺を地元の組から依頼されたスナイパーが暗殺成功後、手にした報酬で弟分とともに海外へ高飛びしようとした矢先、手を組んだ双方の組から命を狙われる羽目になるというのがざっくりした物語。宍戸がスナイパー、その弟分が先日亡くなったジェリー藤尾。

 宍戸さんが一番気に入っていた出演作だそうです。セリフ少なく進んでいくアウトロー二人の物語、宿屋で二人を手助けする不幸な過去を背負った女(小林千登勢)、ジェリーさんがギターを爪弾きながら聴かせる歌、底辺の象徴っぽいハエの使い方などなど、いかにもウェスタンやら往年のハードボイルド小説然としたタッチが渋い。

 お話の前半の方で描かれる組長暗殺だけど、組長に扮するのはアラカンこと嵐寛寿郎。ひと言のセリフもなくて早々に姿を消すのがすごい贅沢〜と思ったり。贅沢といえば組長の息子こと二代目に扮するのは杉良太郎だし、あと元々の雇い主たるいかにもなエロじじい(内田朝雄)やら二人が匿われる渚館のおかみ(武智豊子)や手下たちなどモノクロに映える?こってりしたメンツが淡々とした物語の中でやたら映える。あと狙撃で使われるマンションの一室がこれまた昭和レトロな雰囲気のインテリアでステキ。

この手の旧作って今まであまり観たことがなかったけれど、ちょっとハマりそう。

監督:野村孝 1967製作
出演:宍戸錠、ジュリー藤尾、小林千登勢
@国立映画アーカイブ
逝ける映画人を偲んで 2019-2020


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