3/24/2021

私をスキーに連れてって

  恋人がサンタクロ〜ス、背の高いサンタクロ〜ス♪♪ 桜も満開の最中、いったいどーしたって感じですけれど、京橋の映画アーカイブに『私をスキーに連れてって』を観に行った。初見。

 その昔バブルの真っ只中に世を席巻したホイチョイプロダクション3部作は『波の数だけ抱きしめて』だけ公開時に映画館に観に行った。湘南のミニFMステーションっていう舞台とサントラがよさげで。でも中身はほとんど覚えていない。でも、そのホイチョイ1作目の『私をスキーに〜』はもっともっと流行って週末スキーツアーとか爆発的一大ブームの火付け役になったといっても過言じゃないだろう。白いスキーウェアの上下にゴーグル姿の原田知世ちゃんのポスターはよく覚えてるけど、他に誰が出てるかよく知らなかったし、なによりその当時は流行り物に興味なかった自分には乗り切れなかった。でもあれから数十年が経ち、当時の風情がどんな風に見えるんだろ?という興味もあり、今回観に行ってしまった。
 やー、懐かしのトレンディ・ドラマ(調べるとそういう名称が登場したのはこの映画よりも後らしい)。今もそんなジャンルあるんだろーか。週末金曜の退社時間になると気もそぞろに帰宅して、その足でマイカーやらツアーバスでスキー場へゴー。うちの職場の社員やバイターズもそんなことしてたよな。彼女や彼のいない彼彼女はステキな出会いを求めてて、仲間たちもサポートとかなんか見ていてこそばゆい。でもって知世ちゃんと三上がゲレンデで出会い、あれこれすったもんだあってついに想いが通じ合うハピニューイヤーの場面で花火がシューっと画面を走る場面はおもわずゾワーっとさぶいぼが…。スンマセン
 「こんな不純な気持ちで観ていていいんだろーか、わし」とやっぱりそっと距離をおいといたほうがよかっただろかとかちょっと思いながら後半。そこから別に何がものすごく劇的な展開があるわけでもないんだけど(つきあい始めたふたりに仕事のあれこれがすったもんだの事件がおきて志賀高原から万座まで山越えしてウェアを届けるハメになる)、雪道やら道なき(雪)道ををセリカで爆走する女子2名とか、スキーシーンが多いせいか『白い恋人たち』とか思い出したり、結構まじめに観てしまった。で、最後のチョコのシーンではサブイボ立つなんてこともなく。
 ほんの、といっていいかわからないけど80年代には、こんなふうにわいわいウキウキしてる世の中があったんだなーと思えば遠くに来たもんだ的な感慨深ささえ覚えてしまった。でも、今からもう30〜40年前?げげげ。たとえば80、90年代に同じぐらいのスパンを考えたら戦前なわけで、世の中の景気も、思想も、全てが変わってしまっていてもおかしくはないんだな、と改めて思ってしまった。そんなことを思いつつ、最近起きてる脳が当時から止まってるとされるおっさん騒動をふと思うと、やっぱりアップデートすべきところはすべきだし、そういう立場の人々ならなおさら世の中に敏感であるべきだろうなとは思ったよね。

監督:馬場康夫 1987年製作
出演:原田知世、三上博史、原田貴和子、沖田浩之、高橋ひとみ、布施博、田中邦衛
@国立映画アーカイブ 1980年代日本映画―試行と新生

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