時は19世紀初頭末のナポレオン戦争時代。艦長ジャック・オーブリー率いるサプライズ号は南太平洋沖でフランスの私掠船アケロン号を追撃の命を受ける。しかしアメリカで造船された最新式型のアケロン号は性能的にも彼らの船を上まわっており、奇襲をしかけられたサプライズ号は大きな損害を被ってしまう。しかし百戦錬磨の戦績を誇るオーブリーはさまざまな困難を乗り越え、彼を慕う士官、船員らと共に再び任務を果たすべく心をひとつにし敵船に挑む…。
わたしもやっぱり予告を観た時は少年十字軍かいな?と思ったのですが、予想以上にプンプン匂い立ってきそうな海の益荒男たちの映画でした。敵船との対決を軸にサプライズ号で起こる人間模様もアクションシーンもド迫力、スケールのでっかい作品でした。ついでに言えばR・クロウ演じるオーブリーもデカかった。初っぱなからサプライズ号が攻撃されていきなり不利な状況に追い込まれたり、配給会社いち押しのかわいいボクちゃんもいきなりアクシデントに見舞われたりするなど、戦であったりはたまた人間関係であったり船の中で起こる危機/悲劇的な状況が映し出されても、そこに陰惨さとか悲壮感みたいなものが漂ってないというか、変にメローな方向に流されないところに好感を持ちました。ボクちゃんはじめ男の子たちもかわいさやら幼さを売りにしちゃ失礼なくらいきちんと誇りを持って役目を果たすキャラとして描かれていたしね。
オーブリーはいかにも腕っ節強そうな豪快艦長という感じでラッセルのイメージもピッタリ。カリスマ溢れる伝説のHEROというよりも生身の俺様ぶりがまさにはまり役だったかも。また彼の親友で船医兼学者のマチュリンことP・ベタニーもあの線の細い知的な雰囲気がよかった。二人の奏でる演奏さながらのおみごとなコンビぶりだったと思います。あ、「ピピン」の姿をみかけたのもうれしかったし、個人的には艦長の右腕、副長プリングスを演じたジェームズ・ダーシーをチェック。原作の小説はシリーズ化されているとのことですが(ちょっと読んでみたい)、映画もそうなるのかな? プリングスのその後も気になるしそれはそれで楽しみ。(@渋東シネタワー)
原題:Master and Commander : The Far Side of the World 監督:ピーター・ウィアー
出演:ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、ビリー・ボイド
3/09/2004
マスター・アンド・コマンダー
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